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8年前の舞台が、映像になってBunkamuraのスクリーンに甦った。
2012年、ここ渋谷Bunkamuraで怪宴した「下谷万年町物語」。
唐十郎作、蜷川幸雄演出の舞台。
主たるキャストは、宮沢りえ、藤原竜也、西島孝弘。
そして、唐芝居生え抜きの役者と、蜷川演劇に欠かせない役者陣が加勢。

上映前に当時のパンフレットを読む機会を得た。
この物語は、実際に起きた事件と実際に在った町がベースだという。
リアルな事件とは、昭和23年11月東京上野の山を視察に来ていた警視総監自身に降りかかった珍事。
新聞社やら諸々のメディアの記者たちを引き連れての道中だったらしい。
取り巻きの記者が、近くを通りがかった男娼の一軍を不用意に撮影。
彼ら彼女たち?は怒り、記者達をボコボコに殴り、総監の帽子を強奪したという。
まるでコントような本当にあった話だそうな。
事件当時、上野の山は娼婦男娼たちが集う商売の場であったらしく、面白可笑しく世を賑わせたことだろう。
そして実在していた町とは、東京・上野(うえの)山の東側スグふもとにあった「下谷(したや)万年町」。
かつて唐十郎が幼少時に住み、男娼たちが生きた町。
当時、都内屈指の貧民窟であったという。

(イメージ写真下に続く)

こんな時代こんな事件、こんな町を起点にこのモノガタリは始まる。
こんな過激でこんな猥雑さタップリの設定を知っただけで、前のめり。
ゾクゾクしてくる。

権力の象徴たる警視総監の帽子、
その帽子が引き起こす最下層で生きる者たちの活劇。
時に、にぎにぎしく、
時に、哀愁タップリにケバケバ男娼3~40人が舞台一杯に蠢(うごめ)く。

そんな掃き留まりの中で、白鳥が、いや宮沢りえが怪演。
時に、気風よく、キレッキレッのステップを踏み、
時に、艶(つや)っぽく、そしてしなやかに台詞を紡ぐ。

そしてその舞台の張り出し(客席側に突き出た部分)には、タップリと水を張ったひょうたん池が姿をみせていた。
深さは膝小僧あたりだろうか、唐作品に欠かせない水溜り。
この池、時に怪しげに強引に役者を誘い引っ張り込む。
ずぶ濡れ者はザーーっと立ち上がり、そしてボタボタ、ピタピタ!
水は魔力を持っている。
なんとも臨場感あって迫力があった。

騒然な風景に猥雑なコトバが飛び交う。
と次にはシーン転換して、抒情的で独白的なセリフが舞台を埋めていく
唐作品の真骨頂、
時に聞き取れないが、なんとも台詞が詩的でキレイなのだ。
特に回想シーンで語られるそんな台詞に、引き込まれていく。

休憩を挟み、3時間超の上演・映像。
飽きることなく食い入るように観いってしまった。
終ったのは22時半。
真白なキティ(宮沢りえ)とケバケバの男娼たちの残像から、暫らく逃れられない。

追伸
パンフレットによれば、李礼仙が舞った初代作品・伝説の舞台は1981年、西武劇場での上演だったという。
アーカイブ映像は残っているのだろうか。
今後の上映を期待したい。


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FP事務所 ネクストプレイン

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最終更新日2020-10-19
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