映画「ミッドナイトスワン」。共生できる社会は自分のココロから、
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邦画「ミッドナイトスワン」。
性的マイノリティ(社会的少数者)であるトランスジェンダーが主人公の映画。
(*トランスジェンダーとは、ココロと体に異なる性別を持つ人)
男か女か、そしてどちらでもない性もある。
ココロと体が性的に一致せずに、苦しみ・もがきながら社会の中で生きている彼ら彼女たち。
彼ら彼女たちを無用に疎んじ阻害し、過剰な負担を強いる無知なる者、理性では理解しつつも心根では非寛容な者たち。
二者一択できない性もあるコトを、心底から知らなければいけない。
と、映画は叫んでいた。
劇中、トランスジェンダーの主人公(草薙剛)は遠い親戚の女の子をやむなく引き取り、共に暮らし始める。
この二人が極貧の中で、のたうち廻って真の母子(おやこ)になっていくモノガタリだった。
(イメージ写真下に続く)

陽の当らない崩れそうな木造アパート。
ここで行き場のない遠い親戚の女子高校生と暮らすシーンから始まった。
じっとりネットリとした映像。
場末のショウパブで踊りようやく生計を立てている主人公。
誰からも愛されず孤独にうつろう女子高校生。
偶然に見つけたバレー教室に興味を抱き、女子高校生は危ないバイトで稼ぎバレー教室に通い始める。
時に深夜の空き地でバレーの練習に励む彼女を、次第にココロ通わし始めた主人公はそっと見守っていた。
その時そこに偶然に居合わせた通りすがりのオッサンが、けだるくのったりと拍手をして言い放つ。
「夜が明けるとスワン(白鳥)は飛び立ってしまうな」
その時、主人公は意中で反論したに違いない。
「夜が明けてもこの子はスワン! この子はずっとスワン!」
そして、意を定める。
「この子のお母さんになる!」
身も心もお母さんになりたい一心で、彼は女性の体を手に入れようと身を切り刻むが、命を閉じてしまう。
形なき命は、カタチなき愛情として娘を包み慈しみスワンへと育てていく。
やがて時がたち、娘はついにバレリーナとしてニューヨークの舞台に立つのだ。
「お母さん、見ていて!」
ミッドナイトスワンは、スワンとなって舞台に羽ばたいた。
このブログを書いている最中にも、涙腺が緩んでくる。
性的マイノリティを演じた草薙剛に喝采。
よくよく共生できる社会は、まずは自分のココロから。とココロしたい。
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FP事務所 ネクストプレイン
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