たおやかな夢、たおやかな日々。
時間の経過の早さに、あ然とする。
時間をテーマにした漢詩を、思い出す。
随分と前に、偶然に参加した論語の公開講座で参考教材として提示されたものだ。
「偶成(ぐうせい)」という題(タイトル)で、朱熹(しゅき/1130~1200/朱子学の創始者)が書いた詩だと言う。
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少年老い易く、学成り難し。
一寸の光陰(こういん/時間)、軽んずベからず。
未だ覚めず、池塘(ちとう/池のほとり)春草(しゅんそう)の夢。
階前(かいぜん/自宅前)の梧葉(ごよう/青い葉)、すでに秋声(しゅうせい)。
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(こんな雰囲気の詩)
若者は、すぐに年をとってしまい、学問は完成しにくい。
だから、少しの時間でも軽視してはいけない。
春、池のほとりの草が揺らぐ夢をみていたら、
いつのまにか、自宅前の青葉は秋の風情になっている。
我が身振り返って、少年どころか壮年を超え、老年を目の前にして、この詩は響いてきた。
時間の経過が、年々早く感じるようになってきている。
年齢を重ねる程に、一定の時間がどんどん短く感じるようになっているのだ。
時間感覚は、年齢に反比例する。ということを昔に聞いた。
時間の経過に、体が順応していかないのだろうか。
時間に鈍くなる?
時間に無頓着になる?
時間に麻痺してくる?
(イメージ写真以下に、続く)

先の詩を、我が身に照らし読み替えてみた。
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壮年(そうねん)過ぎて益々老い易く、練成(れんせい/心身の強化)図り難し。
一寸の光陰(こういん/時間)、軽んずベからず。
暁(あかつき/早朝)に秋声を聞き、瞼(まぶた/目の中)に観る「たおやかな夢」。
所行無常(しょぎょうむじょう/全てコトは変化する)なれど、現(うつつ/今)の世に夢を移(写)さん。
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還暦を超えて今ここで後ろを振りかえれば、生まれてこれ迄に膨大な時間が経過した。
そして、天寿まで計り得ない未知なる時間が残されている。
もう?還暦!
まだまだ!!還暦!
春のうららかな日々も、
夏の刺すような日差しも過去り、
夏の残照をほんのかすかに背中に浴びながら秋の声を聞く。
秋の風を正面から受けながら見る「たおやかな夢」。
この夢、今のこの世で視られるよう、
「たおやかな日々」を迎えられるようココロしたい。
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