「人生100年時代」を探る(2)。寿命と余命。単位は年。
情報を探る。「人生100年時代」編、その(2)。
命の長さを計る言葉が、いくつかある。
まず、寿命。
そして、余命。
広辞苑第7版(2018年1月12日)にて調べてみる。
寿命(じゅみょう):命のある間の長さ。
余命(よめい) :残りのいのち。これから死ぬまでの生命。
我が身は、今まで(よみょう)と読んでいたが、広辞苑に(よみょう)で掲載はなかった。
厚労省の公的年金に係るサイトのネット用語集では、
・平均寿命:何歳まで生きるかの平均的な年数。0歳時点の平均余命のこと。
・平均余命:ある年齢からあと何年生きられるかという期待値。
また、厚労省が公表した「簡易生命表の概況」に生命表諸関数が定義されていた。
・平均寿命:0歳における平均余命
(男女別に計算)
・平均余命:当該年齢における生存者が、当該年齢以降に生存する年数の平均
(男女別・年齢別に計算)
(*参考)
・寿命中位数:生命表上で。出生者のうちちょうど半数が生存し、半数が死亡すると期待される年数
よく話題になる「平均寿命」とは、0歳児の「平均余命」のこと。
また、日本においては、以下のとおり。
平均寿命 < 寿命中位数
実は、同年齢で半分以上の方々は、平均寿命以上を生きる。という事。
(平均寿命イメージ図の下に続く:出典は、「平成28年簡易生命表の概況 / 厚生労働省」)

さて、厚労省が公表する「生命表」とは、なんだろう?
各年齢の人が1年以内に死亡する確率や、平均してあと何年生きられるかという期待値を算定したもの。だ。
厚労省では2種類の生命表を作成している。
①完全生命表。国政調査(確定数)と人口動態統計(確定)に基づき、5年に1度作成
②簡易生命表。人口推計と人口動態統計月報年計に基づき、毎年作成
直近では、「平成28年簡易生命表」。
平成28年1年間の結果(男女別の各年齢の人口と死亡数)をベースに計算され、
平成29年7月に公表された。
◆「平成28年簡易生命表」。
<報道関係者向け/1頁>
<概況/17頁>
この平成28年簡易生命表では、以下のとおり。
平均寿命も平均余命も、単位は「年」。
●男性
男性の平均寿命は、80.98年で、過去最高。
男性の出生児10万人は、平均寿命の81歳時点で60,296人が生存。
と計算され、81歳で6割は存命。
そして男性81歳における平均余命は、8.34年。
⇒81歳存命の男性が死亡すると推定される平均年齢は、89.34歳(81+8.34)
また、同年齢の半分の方が亡くなる年齢(寿命中位数)は、84歳。
●女性
女性の平均寿命は、87.14年で、こちらも過去最高。
女性の出生児10万人は、平均寿命の87歳時点で62,404人が生存。
と計算され、女性87歳で6.2割は存命。
そして女性の平均寿命87歳における平均余命は、7.20年。
⇒87際存命の女性が死亡すると推定される平均年齢は、94.20歳(87+7.20)
また、同年齢の半分の方が亡くなる年齢(寿命中位数)は、90歳。
平均寿命も平均余命も、そして寿命中位数も年々伸びている。
今後も伸び続けるだろう。
それは、子供の死亡率の低下、慢性疾患対策が功を成している事が要因だと言われている。
実は、上記の年数、年齢には、生活の質は加味していない。
健康、病気、介護など、生活の質は考慮されていない。のだ。
(過去実績)生きていた。死んでしまった。
(未来推定)生きているだろう。死んでいるだろう。
といった2値だけでは、未來は図れない。
健康でいられる期間、年数を考慮した未来設計が重要となってくる。
別途、健康寿命について探っていきたい。
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/ FP事務所 ネクストプレイン /
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